頻尿について
頻尿は、文字通り頻繁に尿意がおそってくるため、一日に何度もトイレに行ってしまう病気です。起きている間に8回以上も排尿する「昼間頻尿」と、寝ている間に2回以上もトイレに行く「夜間頻尿」があります。
昼間の活動時間中は、食事などで水分を体内に取り込んでるため、トイレに行くこと自体は普通です。特に、冬の寒い日に水分をたくさん摂取したり、利尿作用のあるビールを多飲したとき、利尿薬を処方されたときなどは、一時的にトイレに行く回数が増えることもあります。しかし、度を超えて排尿したくなるのは、体のどこかに異常が起こっている可能性があります。
また、就寝中は、体のホルモンの作用によって尿の産生が抑えられているのですが、何らかの要因によって尿が過度に溜まったり、膀胱の働きに異常を来たすと、寝ている間でもトイレに行きたくなってしまいます。
どちらの場合であっても、泌尿器系や神経系などに何らかの問題が潜んでいるので、お早めに泌尿器科を受診し、原因を突き止めるようお勧めいたします。
頻尿となる主な原因疾患
過活動膀胱
こちらをご覧ください前立腺肥大症
こちらをご覧ください膀胱炎
こちらをご覧ください膀胱がん
こちらをご覧ください心因性頻尿
心因性頻尿は、精神的な不安やストレスによって起こるタイプの頻尿です。抗利尿ホルモンの機序などに問題が生じているわけではないので、睡眠中は特に尿意を催したりしません。起床時の尿量も十分な量です。精神的にリラックスしているときも頻尿に煩わされることはあまりありません。
こうしたケースでは、主に脳神経内科や心療内科で治療を進めることになるでしょう。但し、これに先立ち、腎臓や膀胱の機能に問題が起こっていないか確認する必要があります。まずは泌尿器科を受診し、膀胱などの病気が潜んでいないことを確かめるようにしましょう。
頻尿の治療について
水分の摂りすぎが原因ならば、水分を適切に管理することで改善できます。しかし、実際には膀胱や前立腺の疾患が潜んでいるケースが多く見られます。そのため、原因疾患の治療と併行し、頻尿を是正するための薬物療法を行います。患者さんの状態を見極め、膀胱を収縮させるアセチルコリンという物質の働きをブロックしてくれる抗コリン薬やβ3受容体作動薬などを処方します。
尿漏れ・尿失禁について
ご自身では排尿しないように心がけているのに、トイレ以外の場所で尿が漏れたり失禁してしまう方がいます。社会的・衛生的に問題が起こるのですが、医師や周囲の方に相談せず、1人で悩んでいるケースも少なくないようです。しかし、尿漏れ・尿失禁は腎臓内科や泌尿器科できちんと治療することによって改善が見込めます。
主なタイプ
尿漏れ・尿失禁には、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、機能性尿失禁などのタイプがあります。切迫性は、膀胱機能の老化などにより、いきなり尿意が強まってしまうため、トイレに駆け込む前に尿が漏れてしまいます。
腹圧性は、加齢などによって排尿に関わる骨盤底筋などの筋肉が弱ることに伴い、尿が漏れます。咳やくしゃみをしたとき、重い物を持ち上げて腹部の筋肉に力が入ったときなどに起こりやすくなります。
機能性の尿失禁は、尿路系には特に支障を来たしていないにも関わらず、認知機能の低下などによって引き起こされるタイプです。アルツハイマー型認知症などにより、ご自身の尿意が高まっていることを自覚できなかったり、トイレの場所が分からない事などで起こります。
このような尿漏れ・尿失禁が見られたときは、お早めに泌尿器科をご受診ください。
尿漏れ・尿失禁の治療
頻尿の治療に類似している面もありますが、まず、水分を摂取するタイミングを見直します。原則として就寝前や外出前は摂取を控えますが、尿が濃縮されると膀胱を刺激することになるため、適度の水分は摂取します。
排尿の時間も規則正しく行うようにします。それぞれの患者さんの生活リズムなどを考慮し、尿意を上手くコントロールできるようにするのです。さらに、括約筋の作用を強めるβ2刺激薬、抗コリン薬などを用いて治療を進めます。こうした薬物療法によって尿漏れの改善が図れるケースが多いのですが、十分な効果が見られないときは手術療法を検討します。
排尿困難・排尿痛について
排尿困難・排尿痛は様々な原因によって引き起こされますが、女性の方に多く見られるのは急性膀胱炎に伴う排尿障害です。排尿の終わりごろに尿道の痛みが生じ、ときおり血が混じることもあります。通常は抗生剤などを服用することで症状は治まります。但し、高熱、背中の痛みなどを伴う場合は、腎臓にも炎症が広がっている可能性がありますので、医療機関できちんと検査を受けるようにしましょう。
一方、男性の方の場合は、前立腺炎などが疑われます。尿道から細菌が侵入したりすると、下腹部に不快感が起こり、排尿時に痛みが生じます。また、長時間のデスクワーク、車の運転などで前立腺が常に圧迫・刺激されたり、ストレスや運動不足が原因となって起こることもあります。
この他、膀胱がん、陰茎がん、尿路結石などで排尿痛や排尿困難を来たすこともありますので、症状がなかなか治まらない方は、お早めに泌尿器科を受診することが望まれます。
tel.04-2941-5905
埼玉県狭山市広瀬東2-36-21
院長: 沼﨑 進
科目: 泌尿器科
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休診日:火曜、土曜午後、日曜・祝日
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