前立腺肥大症とは
男性の場合、膀胱のすぐ下に「前立腺」という臓器があります。大きさは栗の実ぐらいで、重さも15~20グラム程度なのですが、精子を保護して活動を活発にする前立腺液が作られる重要な器官です。前立腺肥大症は、この臓器が肥大化し、頻尿や残尿などの排尿トラブルを引き起こす疾患です。初期の段階では、排尿に時間がかかる程度ですが、進行するにつれて排尿障害が強くなり、殆ど尿を出せない尿閉状態になることもあるので要注意です。
加齢に伴って増加します
20~30歳代の頃には殆ど見られませんが、年齢を経るにつれて前立腺肥大症の罹患率が増加していきます。50歳で約30%、60歳で60%、70歳で80%、80歳では90%の方に前立腺の肥大状況が見られます。もっとも、その全てで治療が必要となるわけではありません。適当な時期に泌尿器科の専門医院を受診し、治療の必要性をご確認ください。
このような症状の方は泌尿器科を
- 尿をする回数が多い(頻尿)
- 急に尿意がおそってきて我慢するのが難しい
- 我慢できずに尿を漏らしたことがある
- 夜中に何度もトイレに行く
- 尿の勢いが弱い、出始めるまでに時間がかかる
- 尿が分かれて出る
- 尿をするときに力まなくてはならない
- 尿をしてもすっきりした感覚が得られない
など
前立腺肥大症の検査について
前立腺肥大症の専門的な検査に先立ち、まずは問診を行います。残尿感や頻尿感について、ご自身がどのように自覚されているのか伺い、どのような状態に改善したいのか確認いたします。そのうえで、肛門から直腸に指を入れて前立腺の状況を確認したり、尿検査、尿流測定、残尿測定、血清PSA(前立腺特異抗原)測定、前立腺超音波検査を行います。これらにより、前立腺の大きさや炎症の状況を把握し、治療の有無やその内容を決めていきます。
主な治療方法
薬物療法
前立腺肥大症の治療に際して、まず最初に検討される治療法です。前立腺や膀胱、尿道の緊張を和らげて尿を排出しやすい状態にする薬、前立腺のサイズを小さくして尿道の圧迫を軽くする薬などを使用します。
手術療法
薬物療法によって症状の改善が得られないとき、血尿や尿路感染などが繰り返されるとき、膀胱に結石が発生したとき、腎機能の障害が起こったときは、手術療法が行われます。以前は開腹手術も多かったのですが、現在の第一選択肢は経尿道的前立腺切除術です。尿道から内視鏡を挿入し、内視鏡の先端に付いている切除ループを使って前立腺を少しずつ切除していきます。
この他、光選択的レーザー前立腺蒸散術、ホルミウムレーザー前立腺核出術、経尿道的マイクロ波高温度治療術などが選択されることもあります。さらに、前立腺の肥大が極端に進行し、他の手技では治療が難しいときは、開腹手術によって前立腺を摘出することもあります。
生活習慣の改善
前立腺肥大症の治療では、薬物療法と併行し、生活習慣の改善も行われます。軽い負荷の運動を毎日続けたり、水分の摂取量を適度に整えたり、刺激の強い食べ物を避けたりします。お酒の飲み過ぎ、下半身の冷え、便秘なども前立腺に悪影響を及ぼすので、改善に努めるようにしましょう。
tel.04-2941-5905
埼玉県狭山市広瀬東2-36-21
院長: 沼﨑 進
科目: 泌尿器科
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 | |
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9:00~12:30 | ○ | - | ○ | ○ | ○ | ○ | - |
15:00~18:00 | ○ | - | ○ | ○ | ○ | - | - |
休診日:火曜、土曜午後、日曜・祝日
西武新宿線狭山市駅より西武バス利用(約6分)で
河原宿バス停下車徒歩2分